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2025.04.10
重厚なドアノブに手をかけるそのとき、ひらりと扉が開く。
「おかえりなさいませ、お嬢様。」
上品なレンガ壁が、きらびやかな別世界への入口
JR池袋駅から歩いて10分ほど。東池袋のビル街の一角に、ひっそりとあるお屋敷への入口。忙しない日常に疲れたお嬢様たちが“帰宅”するのが、ここ「執事喫茶 Swallowtail(スワロウテイル)」です。
出迎えてくれたのは、執事の椎名(しいな)さん(写真左)と伊織さん(写真右)
たくさんの使用人が出迎えるこのティーサロンは、忙しいお嬢様である“私”のためにこのお屋敷の大旦那様が作ったもの。アフタヌーンティー文化が花ひらいた英国ビクトリア朝時代の様式を取り入れたインテリアは、上品ながらも華やかな印象を与えます。
スワロフスキークリスタルが輝きを放つ2基のシャンデリアは、海外から取り寄せた特注品。「とても大きいので入口を通ることができず、いちど分解して運んで組み立てたのです。」と、微笑を浮かべながら伊織(いおり)さんが教えてくれました。
ティーサロンに入ると、まるで別世界に入り込んだよう
「壁際には、お嬢様がおひとりで過ごされるためのお席を多数ご用意しています。読書やパズル、季節によっては編み物と、お嬢様方は思い思いの過ごし方をされておられます。」もちろんお友達を連れて帰宅する方も多くいるそう。ティーサロンはクラシック音楽とお嬢様たちの楽しげな声に満たされ、いつも華やかな雰囲気に包まれます。
お屋敷のパティシェが手掛けたスイーツを堪能できる
多くのお嬢様がオーダーするのは、3段のアフタヌーンティーセット「アンナマリア」。季節のスコーンやジャムなど、月ごとに少しずつ内容を変えて提供されます。
「私のおすすめは、スコーンとジャム・クロテッドクリームの組み合わせでございます。いわゆる『クリームティー』と呼ばれるオーソドックスな組み合わせです。」
プレーン(写真左)とアールグレイ(写真右)のスコーンは定番の人気メニュー
ティーサロンで提供されるスコーンは、お屋敷のこだわりが詰まったオリジナルレシピ。「大旦那様から本場イギリスのスコーンを見てくるよう仰せつかり、1週間ほどアフタヌーンティーを食べ歩きました。そのときに気に入ったスコーンを、パティシエに再現してもらったのです。」と、伊織さん。
お嬢様たちが2種類の味を楽しめるようにあえて小ぶりに作られたスコーンは、紅茶と一緒に口の中でホロホロとほどけていくような食感を味わえます。伊織さんは「海外からご帰宅されたお嬢様に『これこれ!』と喜んでいただけたことがあって。とても嬉しかったですね。」と目を細めます。
マスカットとジャスミンの香りが華やかな「アレキサンドライト」。カップは大倉陶園に特注したもの
食事と一緒に楽しむお茶は、常時40種類以上が用意されています。執事たちの多くが、日本紅茶協会認定資格であるティーインストラクターやティーアドバイザーを保有。お嬢様の気分や好みを聞き取りながら、ぴったりのお茶をおすすめしてくれます。
「資格を持つ者がブレンドしたオリジナルの紅茶もございます。例えば『オードリー』という紅茶。こちらは往年の大女優 オードリー・ヘプバーンのように、お嬢様が美しさを保っていただけるようブレンドしたものです。」
お屋敷自慢のカップコレクションの一部は、サロン内でも鑑賞できる
大旦那様の「本物志向」はティーカップにも。日本を代表する洋食器メーカーとして知られる大倉陶園をはじめ、マイセン・ウェッジウッド・リチャードジノリと名だたるブランドのカップが50種類以上コレクションされています。
丁寧な所作と爽やかな笑顔が印象的な伊織さん
ティーサロンには多くの執事が働いていますが、お嬢様のお世話ができるようになるまでの道のりは簡単ではありません。数十種類に及ぶお茶やティーカップの勉強からスタートし、お茶の淹れ方や立ち振る舞いなど多くのことを身につける必要があります。
「私は、このティーサロンの“こだわりの強さ”に魅力を感じております。同じように礼服でサービスをするにしても、そのなかで所作ひとつ一つにどれだけこだわれるのか、言葉遣いやお話の内容にどれだけこだわりを持てるのか。そういったことが私の楽しみにもつながっております。」と、伊織さん。
「お料理やお茶、ティーカップ、サロンの隅々まで大旦那様の本物志向が生きております。すべてが“本物”であること、それが2006年の開館から長年お嬢様方に愛され続ける理由でしょうか。」
近年ますます流行り廃りが激しくなっている日本のサブカルチャーシーン。そのなかでも、私たちが変わらず求めているのは「非現実感」なのかもしれません。執事の凜とした所作や、きらびやかなインテリア、料理人が手がけるスイーツやお茶――ここには、お嬢様が求める非現実感を叶える“本物”のティーサロンが確かにありました。
「お嬢さま、そろそろお出掛けのお時間です。」
こうして束の間のティータイムを終え、お嬢様たちはまた日常に出掛けてゆきます。
執事喫茶 Swallowtail
住所:東京都豊島区東池袋3-12-12 正和ビル B1F
アクセス: 東京メトロ有楽町線 東池袋駅より徒歩8分、JR池袋駅より徒歩10分
公式HP: https://www.butlers-cafe.jp/
SNS:https://www.instagram.com/swallowtail_bc/
https://x.com/swallowtail_bc
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。
*来館には上記HP上からの予約が必要です 。
*ティーサロン内での写真の撮影やSNS等への掲載は、使用目的・被写体を問わず禁止となっています。本記事は許可をいただいたうえで取材したものです